今までに寄せられた質問とその答えです。


第4回 2002.03.23 UP


本を読むときは辞書を引いた方が良いのでしょうか?



 辞書を引くべきかどうかという質問はずいぶんいただきました。基本的に読書中に辞書を引くことはおすすめしません。それはもうたったひとつの理由からで、せっかくのお話が辞書を引くことで、気分がそがれ、雰囲気が台無しになってしまうからです。本を読んでいる時にたびたび辞書を引いていると、どんな面白い話も不思議と退屈でつまらないものになってしまいます。それはちょうど映画の最中に頻繁にトイレに行くようなもので、とりあえずあらすじは理解できても、物語の面白さまでは伝わらない可能性があります。このため、推理小説の凶器とか、どうしてもその場ですぐに意味が分からないと致命的な場合を除き、辞書に関してはなるべく積極的には使わないことをおすすめしたいと思います。
 でも、それだとどうしても不安だという方には以下の三つの方法がお勧めです。

1)一回目は多少無理をしてでも辞書を使わず(どうしてもなら数回だけ引いて)、二回目に読むときに分からなかった単語を引いていく。

2)あらかじめ数ページの間の分からない単語だけを全部辞書で引いてフリガナを振っておき、そのあとで辞書を伏せて読む。

3)翻訳があるものなら先にそれを読破し、ストーリーを頭に入れて置いて、もう一度英語で読む。

 どの方法でもかまいませんが、できれば1の方法をおすすめします。もし1の方法で一周目にどうしてもさっぱり意味が分からなければ、その書籍は後回しにして、もう少し難易度の低いものに挑戦してみて下さい。
 最初は難易度をとことん落としてみるのもむしろいいことです。
 無理して映画の原作を読むより、気軽に絵本を読んでみてください。「今さら絵本なんて」と思うかもしれませんが、世界中で絵本を子供だけのものだと思っているのは日本人ぐらいのものです。英語の絵本には子供が読んでも分からない、むしろ分かってはいけないような大人向けの絵本もたくさんあります。今後もこのサイトでいろんな絵本をどんどん紹介していきますので、参考にしてぜひ読んでみてください。試しに何冊か読んで、それで本当に「子供だまし」かどうか、ぜひ自分で判断してみてください。
 カルチャーショックが待ってますよ!
 辞書をこれから買う人に、一応読書に適したお勧めの辞書を紹介しておきます。


Kenkyusha's New Pocket English-Japanese Dictionary/新ポケット英和辞典 研究社刊/岩崎民平編
 向山家全員が半世紀近く愛用している辞書です。軽く、小さく、めくりやすく、片手で扱うことができるので、本を右手、辞書を左手で持って、瞬間的に単語を引くことが可能です。ポケット辞書にしてはエントリー数も多く、説明も他の辞書に比べて細かく、豊富に書かれています。ただ、問題は現在ほとんど手に入りません。幻の辞書です。もしどこかで万が一見かけたら即購入してください。
スーパーアンカー英和辞典
学習研究社刊/山岸勝栄編

『スーパー・アンカー』は似たような単語の細かいニュアンスの違いがコラムで紹介されているので原書を読むときにとても便利です。日本人英語学習者向けに特別な配慮がなされている、非常に親切な辞書です。現在も入手可能。
ロングマン現代英英辞典
桐原書店刊

英英辞典は数多くありますが、初めての人にはロングマンが一番なじみやすくおすすめです。最初の1,000語に関しては別冊で日本語解説がついているなど、至れり尽くせりの辞書です。英英辞書のいいところは、英語を英語のまま理解できる点、それに、豊富な例文が載っている点です。最近のものにはCD-ROMもついているので活用してみてください。



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