12月25日、クリスマス。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。向山です。
みんなで楽しいクリスマスを送っている方も、一人で寂しいクリスマスを送っている方もいると思います。
ぼくもどっちの経験も何度もあります。12インチのテレビで笑っていいともの特大号を見ながら、クリスマスだからと奮発して買った特盛りの牛丼を食べていて、急に悲しくなって泣いたことがあります。「せめて並にしとけば⋯⋯」と、見当はずれなことも思いました。その時には世界中が楽しくクリスマスをやっていて、ぼくだけがこんな辛い夜を送っているのかと、心底悲しくなりました。
でも、それからの二十年で分かったことがいくつかあるとしたら、まず何よりも、もっとずっと酷いクリスマスを送っている人は世の中にたくさん——それこそ無数にいるということ。それをまず知りました。
たった一年で、状況なんていくらでも変わるということ。
それどころか、たった一日で変わる時だってあるということ。
だから、人生はいつでも喜びすぎても、嘆きすぎてもいけないということ。
クリスマスである前に、今日はいつだって明日の準備をするための大事な普通の一日だということ。
概ね、そんなことを知りました。
今年辛いことがあったすべての人を明るくするイルミネーションや、すべての人に幸せをプレゼントするサンタクロースが本当にいれば、どんなに良いだろうと思うけれど、残念ながらぼくらの住む世界はそれほど完璧なものじゃありません。だから、今、あなたがどこでこれを読んでいても、せめて良いクリスマスが訪れることを心から祈っています。
キラキラのロマンチックな一日のことを言っているわけではありません。温かい場所があって、体のどこも痛くなくて、あしたの心配がなくぐっすり眠れること。ほかの364日と同じように、穏やかで平穏で、そして不安のない温かい一日であることを祈っています。——ちょうどあの特盛りの牛丼を食べていた日のぼくと同じように。
本来はこれで十分素晴らしいクリスマスなのではないかと思います。
でも、今年は悲しいことがたくさんありすぎました。
だからもし特別にひとつだけ願いを加えるとしたら、その手に温かいココアのカップが握られていて、そこにいくつかの小さなマシュマロが浮いていますように。
これを読んでいるすべての人に心をこめて、メリークリスマス。
2011年12月25日 向山貴彦
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「絶叫仮面」「ほたるの群れ」で二作品続けて共作させていただきました仲良しのoo39.comのみなさまから小さなクリスマスプレゼントが届いています。極寒の北海道で雪に埋もれた仕事場から、いつも温かい曲を届けてくれる優しいスタジオです。来年は再びoo39とタッグを組んで、前代未聞の探偵ものをこのサイトで連載しようと計画しています。どうぞお楽しみに!
それではoo39が贈るクリスマスプレゼント——立体音響によるクリスマス気分をどうかヘッドホンを付けてお楽しみ下さい。(雪のマークのボタンを押して雪を降らせると、とてもきれいですよ!) なーに、一人でしか楽しめないクリスマスってのもあるもんです。
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