先日あった、怖い話をお届けしたいと思います。
我が家では、ほとんど全ての部屋にティッシュが置いてあります。家人がものぐさで、ティッシュを取りに移動する労力を極力省きたいというナマケモノ以下の理由から、こういうシステムとなっています。
このシステム、便利です。でも一つ欠点があります。それは、ティッシュの全体消費量が把握しきれないことです。仮になくなりかけていても、「どこかの部屋のは残っているだろう」という思考が働いてしまうのです。
居間にはなくても、寝室には……
寝室にはなくても、キッチンには……
と探し回り、最終的にいつも残っているのはたった一カ所。洗面所にある、洗濯機の横の棚のティッシュです。ここになければ、この家にティッシュはもうない。そう言えるほど、確実な最後通牒のような存在として、その場所にはいつもティッシュがあるはずでした。
数日前にこの場所のティッシュが切れた時。さすがにやばいな、と思って買いに行った記憶があります。そして入れ替えた記憶も。それなら、ここには新品のティッシュが一箱あるはず……なのに……
ない……。
一瞬考えて、思い当たりました。洗濯用の洗剤はいつも、ティッシュの横に置いてあります。洗濯機は数分前に回したばかり。
さっき洗剤を取ったとき、何か引っかけなかったか?
大量のタオルや衣類がクッションになっていたけど、洗濯機の中に何か、軽いものが落ちたような音がしなかったか?
ガタガタ、という洗濯機の音が響きます。ゴウンゴウン、と音が変わりました。あと数分で、ピーッと「洗濯終了」の音が鳴るでしょう。
蓋を開けた時、そこには……
※今日のコラムには、うそが含まれています。
1.「先日」の話ではなく、現在です。
2.「怖い話」というのも、うそです。本当に怖いのは、いつだって現実です。