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本日のワンパラ(10/02/03)

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「名もなきもの」
(2007/5/18のmixiの日記より転載)

 日頃、文章を書いていて思うのだが、たまに名前がまったく分からないものがある。しかも、割とよく見かけるにも関わらず、それ単独では呼んだことがないものというのが、世の中には意外に多くある。
 小説では具体的な描写をしないといけないので、実際にこういった名前のあまり分からないものに突き当たることがよくある。

 最近、困ったものといえば、窓際の描写をしている時に、窓の下についているちょっとした台のような部分をなんと表現していいか分からなかった。窓枠ではない。たまに小さいサボテンとかカレンダーとかが置かれているあの部分のことである。
 外国ではこの部分にものを飾ることがポピュラーなためか(たぶん、日本よりもスペースが広いこともあるが)、この部分の名称は大変有名である。windowsillというのだが、この同じ部分が日本語でなんというのかが分からなかった。とりあえずwindowsillを英和辞典で引いてみたところ、「窓台」「窓の下枠」とあったのだが、どちらもなんとなくぴんとこない。たぶんこういうように書いても、ほとんどの人は別のものを想像してしまいそうだった。
 そこで、スタジオには日本語の辞書みたいな猫が住んでいるので、ちょっと聞いてみた。辞書猫はあっさり「窓の『桟(さん)』っていうんだよ」と教えてくれた。
 なるほど、これも難しい表現だったが、なんとなく窓台よりはぴんとくるものがあったので、それでいくことになった。あとは少し説明でフォローしていくしかない。

 そんなことが文章を書いていて、ままある。やはり伝統的な日本のものや、登場したばかりの新しい物品、流行のもの、などが困ることが多い。ぼくの知識が足りないと言われればそれまでなのだが、案外どんな小さなものにも名前はあるというのが、最近気がついた重要な教訓だった。

 以下、最近突き当たった「名前の分からないもの」をいくつかあげておいた。後に答えが分かったものも、分からなかったものもある。みなさんはいくつぐらい分かるかな?

・バッテラや押し寿司の上に乗っている薄い海草の皮膜のようなもの。名前もだけど、それ以上にあれっていったい何? オブラートやゼリーみたいに人工的に作られたもの?

・女の人の服装は大変困る。とにかく細かく名前がついている。キャミソールぐらいならいい。でも、最近は腰に巻いているだけの飾りのようなやたら幅のあるベルトとか、半袖でも長袖でもない中ぐらいの長さの袖とか、本当にいろんな服装がある。パンプス、レギンス、など何か分からないものも多い。この手のもので最近困ったのは、案外昔からあるのに、今ひとつどう呼んでいいか分からなかった、髪を束ねるゴム紐である。最初、ヘアーバンドと書いていたのだが、よく考えると、これはまったく別のものだったので、大変に慌てた。

・ふすまなどの下にある木のレール部分。ちなみに上端の方も同じ名前なのか、違う名前なのかが分からない。

・インディージョーンズなんかに出てくる吊り橋の、左右の手すり代わりになっているロープ部分。これは童話物語を書いている時に良く登場したのだが、最後までなんと表現していいか分からなかった。

・スティック状のお香で、お線香とかではなく、アロマテラピー用のもの。線香としか書きようがないのだが、それだとどうしても仏壇に供える方が先に浮かんでしまう。

・薬のカプセルや錠剤などが入っている銀色のシート部分の名前。特に薬を抜き出したあと、空になったものが落ちているのを表現しようとした時になんと書けばいいのか分からなかった。「薬の抜け殻?」

・お茶碗やお椀などの下に着いている台座の部分。熱い時はあの部分に指をかけてうまく持つけど、名称はあるのだろうか?

・「横へピョンとジャンプする」という動作を示す日本語。「跳ぶ」だと、かなり大きく跳んだ感じがするので、もうちょっとぴょんと避けるような感じを示す言葉。できれば名詞があると便利だ。

日本語を学んで早三十九年。まだまだ先は長そうだ。

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