「長くて楽しい夢」 二十五年前。1984年、某アメリカの田舎町。——今ではつぶれてしまった古いショッピングモールの片隅。 まだ雪が少し残る寒い日の午後、今では名前も忘れてしまったコンピューターショップの前で、ぼくはじ…
「長くて楽しい夢」 二十五年前。1984年、某アメリカの田舎町。——今ではつぶれてしまった古いショッピングモールの片隅。 まだ雪が少し残る寒い日の午後、今では名前も忘れてしまったコンピューターショップの前で、ぼくはじ…
「もうひとつのスタンダード」 ずっと三十年近く頭にひっかかっていたことがあった。 アイスクリームのバニラ。 どんなところでも必ずある味、バニラ。アイスクリーム界の標準。「プレーン」と限りなく同義語のバニラ。「アイス…
「人に言えない日本地理」 「名古屋県ってどこにあるんだっけ?」 ぼくが実際にスタッフにした質問である。しかも、これはほんの数年前のことだ。あまりにも周りの連中が引いているので、さては35にもなって「名古屋県」の場所すら…
「名もなきもの」 (2007/5/18のmixiの日記より転載) 日頃、文章を書いていて思うのだが、たまに名前がまったく分からないものがある。しかも、割とよく見かけるにも関わらず、それ単独では呼んだことがないものという…
「ひとりきりのイルミネーション」 夜中に目が覚めるようになったのはいつぐらいからだろうか。 子供の頃は目を閉じて、次に目を開けると朝だった。たまに何かの間違いで目が覚めた時は、夜の天井が怖くて、すぐに布団をかぶって寝…