「永久さんなら持っている」 日本人なら誰でも漢字の読み間違いや誤解で恥をかいたことが一度や二度はあると思う。でも、ぼくはことさらこの分野ではひどい実績の持ち主だ。 「破綻」を「はじょう」と読むのなんて朝飯前で、長年「な…
「永久さんなら持っている」 日本人なら誰でも漢字の読み間違いや誤解で恥をかいたことが一度や二度はあると思う。でも、ぼくはことさらこの分野ではひどい実績の持ち主だ。 「破綻」を「はじょう」と読むのなんて朝飯前で、長年「な…
「40」 おかしい。 何か陰謀の匂いがする。 明らかに当局の仕業ではないかと思う。 たしかにぼくは今年四十歳だ。でも、人前では平気な顔をしてきたはずだ。年齢の十の桁に「4」を書き込むことが怖くて怖くてしょうがない…
「年賀状考」 元旦。 郵便受けを開けると、今年の年賀状。 自分が通ってきたいろんな時期に巡りあい、離れていった人たちからの年賀状。一枚めくるごとに違う時期の自分が垣間見え隠れする。 「おっす、生きてるか?」から「お…
「サンタのいる世界」 「サンタはいるのか?」 そんな一見ばかばかしい質問だけど、ぼくはいると思っている。 海外には「サンタクロース」という団体がいくつも存在するという。ボランティアの団体で、毎年南極宛に送られる何万という…
「550トンの衝撃」 ぼくは胸がドキドキしていた。 もう明日の朝には何もかも終わっているのだ。決して来ることがないと思っていた未来が、すぐ目の前までやってきていた。為す術もなく近付いてくるその最後の瞬間に向けて、ただ…