「体に悪い考え」 深夜、自販機。 気晴らしに散歩に出た先でドクターペッパーを買う。 チビチビ缶に口を付けながら夜道を歩いていて、急にふと思った。 この味って、なんの味なんだろう? 過去、色々不名誉な形容を受けたこ…
「体に悪い考え」 深夜、自販機。 気晴らしに散歩に出た先でドクターペッパーを買う。 チビチビ缶に口を付けながら夜道を歩いていて、急にふと思った。 この味って、なんの味なんだろう? 過去、色々不名誉な形容を受けたこ…
「最後のメッセージ」 昨年の九月、父が亡くなりました。 「うちの親伝説」「大学教授の散歩道」などですっかりおなじみの父ですが、よほど不死身のイメージがあるのか、九十二歳で亡くなったというのに、どこへ連絡しても「うそ!…
「死語の世界」 先日、ティッシュのことを「ちり紙」と呼んで、若者に笑われた。一瞬、なぜそれがおかしいのかも分からなかったので、そろそろ本格的におじさんになって来ているのかもしれない。 どうしてもCDを買うところを「レコー…
「知らない町」 二十数年前。 初めての一人暮らしのために東京駅に着いたぼくは、着替えだけが入ったボストンバッグを持ってぼんやりと中央線に乗っていた。窓から過ぎていくのは知らない風景ばかり。町の名前を聞いても、どれひと…
「岸壁のおじさん」 子供の頃、よく「将来なりたいもの」を書かされた覚えがある。 たいていプロフィールのようなものを書く時は、最後にその項目があった。ぼくは割とその項目を埋めるのが好きで、突拍子もない答えを書いて、よく…